【12月13日 AFP】バングラデシュは12日、1971年の独立戦争時に集団虐殺などを主導したとして、同国最大のイスラム政党「イスラム協会(Jamaat-e-IslamiJI)」の幹部の一人、アブドゥル・カデル・モッラ(Abdul Quader Molla)死刑囚(65)を絞首刑に処した。同戦争での戦争犯罪で死刑が執行されたのはこれが初めて。

 クアムルル・イスラム(Quamrul Islam)法務副大臣は、同死刑囚の絞首刑を、首都ダッカ(Dhaka)の施設で同日午後10時1分(日本時間13日午前1時1分)に執行したと発表。イスラム氏はAFPに対し、「歴史的瞬間だ。1971年の解放戦争から40年を経て、集団虐殺の犠牲者はようやくある程度の正義を実現することができた」と語った。さらに、パキスタンからバングラデシュの独立を勝ち取った戦勝記念日が間近であることに触れ、「12月16日の戦勝記念日を祝うに当たり、国民には最高の贈り物となった」と述べた。

 独立戦争時の戦犯を裁くバングラデシュ国内の特別法廷「国際犯罪法廷(International Crimes Tribunal)」は、モッラ死刑囚を含むイスラム主義者5人とその他の複数の政治家に死刑判決を出している。この法廷で最初の判決が出た1月以降、バングラデシュでは独立後最悪の暴力行為が相次いで230人以上が死亡しており、死刑が執行されたことでさらに緊張が高まる恐れもある。すでに死刑執行の発表直後に、数都市で新たな衝突が発生したという報告もある。野党は、この法廷はイスラム主義勢力指導者の根絶を目指しているとして強く批判している。

 モッラ死刑囚は、バングラデシュの独立に反対する親パキスタンの民兵を率い、同国の高名な学者や医師、作家やジャーナリストを殺害したとして、今年2月に死刑判決を受けていた。同死刑囚の罪状には、レイプや350人以上の非武装の民間人の集団虐殺なども含まれていた。同死刑囚はその残虐行為の大半が行われた地名から「ミルプール(Mirpur)の虐殺者」の異名を取っていた。

 大統領からの恩赦を拒否した同死刑囚の処刑は、当初10日に予定されていた。しかし執行の90分前になって、判事が執行の一時保留を命じていた。その後同死刑囚は死刑判決の見直しを最高裁に求めたが、最高裁は12日にその求めを退け、同死刑囚はその数時間後に処刑された。(c)AFP/Shafiqul ALAM