【12月11日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は10日、カナダが北極点と周辺海域の主権を主張する意思を示したことを受け、ロシア軍に北極における存在感を高めるよう命じた。

 プーチン大統領は、テレビ放送された10日の露国防省会合で「北極へのインフラと軍部隊の配備に特別な注意を払うよう望む」と語った。

 カナダは先週、北極海(Atlantic Ocean)における同国の大陸棚の限界についての予備的な情報を含む、大西洋領海の大幅な拡大を、国連(UN)の大陸棚限界委員会(Commission on the Limits of the Continental Shelf)に申請。ジョン・ベアード(John Baird)外相は、申請の中には北極点に対するカナダの主権主張も含まれていると述べた。

 北極圏の原油と天然ガスの埋蔵量は非常に多いとされ、ロシアも北極点と周辺海域の広い範囲に対して同じく主権を主張している。

 ロシア政府が支援した潜水チームは2007年、北極点の海底にロシア国旗を立てた。またロシア政府は以前から、同地域に大規模な軍部隊の配備を計画している。

 プーチン大統領は10日の会合で「来年、(北極に配備する)新たな大部隊の編成を完了させねばならない」と述べ、北極における「安全保障と国益を守るために必要なあらゆる策」を講じなければならないと語った。(c)AFP