【12月10日 AFP】中央アフリカ共和国で対立するキリスト教徒とイスラム教徒の民兵などを武装解除するため、国連(UN)平和維持活動の一環として同国に部隊を派遣しているフランス軍は作戦2日目の10日、自軍の兵士2人が殺害されたと発表した。

 殺害されたのは空挺部隊の兵士2人。同部隊の報道官によると、9日深夜に首都バンギ(Bangui)で夜間パトロールを行っていた際に致命傷を負ったという。

 バンギでは最近、銃や山刀で武装したキリスト教徒とイスラム教徒の民兵を中心に戦闘が発生し、約400人が殺害された。事態を鎮圧するために前週、旧宗主国であるフランスの部隊約1600人が中央アフリカ共和国に入った。

 同国では3月にイスラム教徒を中心とする反政府連合セレカ(Seleka)がクーデターで政権を奪取し、フランソワ・ボジゼ(Francois Bozize)大統領を国外追放。セレカの指導者だったミシェル・ジョトディア(Michel Djotodia)氏が暫定政府大統領に就任したが、混乱が続いている。

 ジョトディア氏はセレカを正式に解散させたが、元戦闘員らは市街や村落をうろつき、略奪や破壊を繰り広げている。民兵同士の戦闘が急増し、国連高官らはジェノサイド(大量虐殺)に発展する可能性を警告している。また仏軍の到着とほぼ同時に元セレカの戦闘員たちは、バンギ中心部にある施設キャンプ・ビール(Camp Beal)に再結集しているともいう。(c)AFP/Michel CARIOU/Patrick FORT