【12月10日 AFP】米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は9日、米英の情報機関が、世界各国にユーザーを持つオンラインゲーム空間にスパイを送り込んでいたと報じた。こういった空間が、テロ攻撃の計画の場となっている恐れがあるのが理由という。

 英米のスパイはインターネット上の仮想世界「セカンドライフ(Second Life)」や、人気オンラインゲーム「ワールド・オブ・ウォークラフト(World of Warcraft)」、米マイクロソフト(Microsoft)のオンラインゲームサービス「エックスボックス・ライブ(Xbox Live)」などの仮想空間にキャラクターを作って潜入し、監視や情報提供者探し、情報収集などを行っていたとされる。

 同紙の報道は、ロシアに一時亡命している米中央情報局(CIA)元職員エドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者が持ち出した機密情報に基づいている。

 同紙によると、テロリストや犯罪組織がオンラインゲーム空間でひそかに資金移動や攻撃計画のやり取りを行っていると恐れた米英情報当局は、人気の高いゲーム空間に情報員を送り込み、妖精や小びと、スーパーモデルといった仮想キャラクターを使って情報収集やプレーヤー間のやり取りの監視を行っていた。

 オンラインゲーム空間を懸念した理由は、音声チャットやテキストチャット、偽のアイデンティティー、資金移動の方法など、テロ組織の戦闘員らが頻繁に利用する機能が、オンラインゲームにも備わっているためだという。(c)AFP