【12月9日 AFP】アメリカの先住民ホピ(Hopi)とサンカルロス・アパッチ(San Carlos Apache)の神聖なマスクや髪飾りなどが9日、米当局や活動家らからの抗議の中、フランスのパリ(Paris)で競売にかけられる。競売会社EVEが発表した。

 競売をめぐっては、先住民族の権利擁護団体サバイバル・インターナショナル(Survival International)が米アリゾナ(Arizona)州のホピの代理として法的手段に出たものの、6日に申し立てが退けられていた。

 さらに米大使館が競売の一時中止を要請したが、EVEは9日、声明で「まずホピの人々は判事の前で自らの主張を申し立てることができたが、これは退けられた。一方で、サンカルロス・アパッチの人々とは綿密な手紙でのやりとりがなされた」と述べ、「それ故に競売は全く合法的に実施される」と発表した。

 今年4月にも、同じくフランスの競売会社ネレミネ(Neret-Minet)が、国際社会からの要請を無視してホピのマスク70点の競売を行い、最終的に約93万ユーロ(約1億3000万円)ほどを売り上げていた。同オークションは、米俳優のロバート・レッドフォード(Robert Redford)氏や活動家らから冒とくだと非難を浴びた。

 米国では1990年以来、アメリカ先住民の遺産を販売することが法律で禁じられている。だが同法は、国外での売却には適用されない。(c)AFP