【12月8日 AFP】ノーベル賞を受賞した益川敏英(Toshihide Maskawa)氏と白川英樹(Hideki Shirakawa)氏の両氏らが名を連ねる学者有志の団体が7日、特定秘密保護法の成立に抗議する声明を発表した。

 声明は、戦後最大の民主主義に対する危機だとして同法を非難し、政府が、憲法で規定されている「基本的人権と平和主義」を脅かしていると批判。また、与党の姿勢が、「思想の自由や報道の自由を奪った戦前の政府をほうふつとさせる」と主張した。団体は学者31人が結成し、共同通信(Kyodo)によると、3150人以上が声明に賛同した。

 特定秘密保護法案をめぐっては、アニメーション映画の宮崎駿(Hayao Miyazaki)監督や高畑勲(Isao Takahata)監督、ジャーナリストや研究者、弁護士など、社会的に影響力を持つ人々が相次いで反対を表明していた。機密情報の漏えいに対する罰則強化により、報道の自由や国民の知る権利が侵害される可能性があるとの不安から激しい抗議の声が上がったものの、法案は6日夜の参議院本会議で可決された。(c)AFP