【12月5日 AFP】隣国シリアの内戦の影響で緊張が高まっているレバノンのイスラム教シーア派原理主義組織ヒズボラ(Hezbollah)は4日、同組織の司令官が首都ベイルート(Beirut)近くで3日夜にイスラエルによって暗殺されたと発表した。

 死亡したとされるのはハッサン・ハウロ・ラキース(Hassan Hawlo al-Lakiss)司令官で、2008年にシリア首都ダマスカス(Damascus)で殺害されたイマド・ムグニヤ(Imad Mughniyeh)司令官以来、暗殺された同組織の幹部としては最高位の人物。ヒズボラはムグニヤ司令官の殺害についても、イスラエルを名指しで非難している。

 ラキース司令官は、ヒズボラの秘密指導部に属しており、生前は事実上無名の人物だった。

 イスラエル側は4日、ヒズボラの発表は事実無根と反発。同国外務省報道官はAFPの取材に対し、「イスラエルは一切関与していない」と述べた。

 軍ラジオ放送は、ダニー・ダノン(Danny Danon)副国防相の発言として、「もしヒズボラがイスラエル領地を攻撃するなら、われわれは断固として、痛みをもたらす対応を取るだろう」と伝え、ヒズボラによる報復をけん制した。(c)AFP