W杯王者スペイン、強さに陰り見せるも連覇を目指し準備着々
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【12月5日 AFP】2008年から2012年にかけて前人未到の主要国際大会3連覇を達成したサッカースペイン代表は、6日に行われる2014年サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)の1次リーグ組み合わせ抽選会で、シード国のひとつに名を連ねている。
近年は主要タイトルを独占して世界ランク1位に君臨しているスペインだが、約3年半前の南アフリカ大会で初優勝を果たしたW杯の連覇については懐疑的な見方をされている。
5年間のビセンテ・デル・ボスケ(Vicente del Bosque)政権で、スペイン代表が残した実績に異論を挟む余地はないが、最近の代表戦におけるフリア・ロハ(スペイン代表の愛称)の精彩を欠いたパフォーマンスが不安を抱かせている。
今年6月に行われたコンフェデレーションズカップ2013(Confederations Cup 2013)決勝では、若手中心の生き生きとしたブラジルが母国の観衆の後押しもあって3-0と圧勝し、スペインの不甲斐なさが浮き彫りとなった。
とはいえ、前哨戦が必ずしも本大会での行方を正しく示すものではない。2009年のコンフェデ杯でスペインは米国に敗れて準決勝敗退に終わったが、翌年のW杯で優勝を飾っている。
それでも、ルイス・フェリペ・スコラーリ(Luiz Felipe Scolari)監督が率いるセレソン(ブラジル代表の愛称)に開催国という要素が加わった時の強さは見せつけられた。
■スペイン国籍を取得したコスタが代表の起爆剤になるか?
ブラジルが6度目のW杯制覇を逃すことになったとしても、ブックメーカーはスペインよりもドイツ、アルゼンチンの優勝を有力視していることがオッズに表れている。
スペインは欧州予選でも圧倒するような戦いぶりを見せつけることができなかった。フィンランド、フランスとのホーム2試合では終盤に追いつかれて勝ち点3を逃している。
スペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)を率いた実績を持つデル・ボスケ監督は、チームのテンポの悪さを批判し、最終的にベラルーシとグルジアから2勝ずつ挙げたものの、スペインが本大会出場を確定させたのは最終戦だった。
スペインがこのような状況に陥っているのは、デル・ボスケ監督が最善策を見つけられないまま、様々な選択肢を試していることが最大の原因かもしれない。
デル・ボスケ監督は欧州予選でセンターフォワードにロベルト・ソルダド(Roberto Soldado)、アルバロ・ネグレド(Alvaro Negredo)、セスク・ファブレガス(Cesc Fabregas)、ダビド・ビジャ(David Villa)、ミチュ(Miguel Perez Cuesta 'Michu')を起用した。
そして、スペイン1部リーグのアトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)に所属するブラジル出身のジエゴ・コスタ(Diego da Silva Costa)がスペイン国籍を取得したため、さらなる可能性を視野に入れている。
コスタは11月に赤道ギニア、南アフリカとの親善試合へ向けたスペイン代表に招集されたものの、故障のためデビューはおあずけとなった。
出身国のブラジルに背を向け、王者スペインの代表チームを選んだコスタについてデル・ボスケ監督は、今季19試合で18得点を記録している25歳のストライカーが代表入りするのに十分すぎるほどの実績を持っており、W杯に連れて行くことは指揮官として義務に近い感覚があると語っていた。
■全盛期を過ぎた主力選手に不安も、台頭を見せる若手有望株
また、近年の快進撃を支えた主力数人は選手としての全盛期を過ぎたのではないか懸念しているスペイン国民も多い。
スペイン代表の主将でレアル・マドリード所属のGKイケル・カシージャス(Iker Casillas)は、リーグ戦でディエゴ・ロペス(Diego Lopez)の控えに回っている。
また、シャビ・アロンソ(Xabi Alonso)とシャビ・エルナンデス(Xavi Hernandez)はけがに悩まされ、アンドレス・イニエスタ(Andres Iniesta)は所属するFCバルセロナ(FC Barcelona)で最高の輝きを見せられていない。
それでも重ねた年齢は相応の経験値を意味しており、大舞台での勝ち方は見せかけだけ強そうなチームよりも熟知している。
そして何よりも、代表メンバー23人に入ることが期待される若手有望株が続々と台頭している。
ティアゴ・アルカンタラ(Thiago Alcantara do Nascimento)、アシエル・イジャラメンディ(Asier Illarramendi)、イスコ(Isco Alarcon)の中盤トリオは、U-21欧州選手権2013(UEFA European Under-21 Championship 2013)の優勝メンバーであり、アルカンタラとイスコはそれぞれ多額の移籍金でバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)とレアル・マドリードに加入した。
また、同じく優勝メンバーでアトレティコ・マドリードに所属するコケ(Jorge Resurreccion Merodio "Koke")は、一足先にA代表としてレギュラーの座を確保している。
スペインは南アフリカ大会で8か国目のW杯王者になったことで、期待と重圧は前回大会に比べると軽減されているだろう。
しかしながら、世界トップクラスの選手を擁し、主要大会での優勝経験を持つ名将が指揮を執り、さらには飛躍できる機会を待つ若い才能が揃うスペイン代表の任務を遂行することは並大抵のことではない。(c)AFP/Kieran CANNING