【12月3日 AFP】トルコ警察当局が腎臓の販売をうたうオンライン広告の捜査に乗り出した。同国のメディアが2日、伝えた。問題となっているオンライン広告はトルコやエジプト、インド、イラン、イラクなどで違法に腎臓の摘出と移植を行っている臓器密売組織とつながりがあるとみられている。この組織は10月、警察当局の摘発を受けている。

 広告では、健康な個人から摘出した腎臓1片あたりを15万トルコ・リラ(約750万円)で販売すると明記されていた。

 あるオンライン広告には「私は借金があるので迅速に腎臓を売りたい。人生で1度もアルコールを摂取したことがない」とあり、また別の広告には「私は肝臓と腎臓、骨髄を売りたい。毎日運動とウォーキングをしている」とのメッセージが表示されていた。

 同国紙Haberturkによると、密売組織の取り分は、臓器1片あたり最高3万5000ドル(約360万円)ほどという。

 トルコ保健省の統計によると、トルコでは2012年、腎臓移植を待っている患者が約2万人、肝臓移植を待っている患者が約2000人に上った。

 トルコは臓器密売の中継地として知られており、密売組織の摘発は毎月のように行われている。トルコは2005年、臓器密売を犯罪と明示する刑法改正を行い、罰則を15年以下の禁固刑と定めた。(c)AFP