【12月3日 AFP】ギリシャ北部テッサロニキ(Thessaloniki)で、失業中の母親(54)と暮らしていた少女(13)が、室内暖房に使っていた手作りの簡易ストーブが原因の一酸化炭素(CO)中毒を起こして死亡した。警察筋が明らかにした。

 近隣住民によると、少女が住むアパートでは電気代の滞納により電気が3か月も止められていた。警察筋によると、不定期で清掃の仕事をしていた母親は、電気代を工面しようと懸命だったという。

 国営アテネ通信社(ANA)によると、少女が倒れた時、母親も室内にいて気を失ったが、後に意識を取り戻し、助けを求めた。地元メディアによると、母親は当初、当局に身柄を拘束されたが、後に釈放されている。

 昨年の新税導入に伴い、ギリシャでは暖房用燃料の価格が高騰。このため国内で暖房の安価な代替手段を求めて、手作りのストーブや暖炉を使う家庭が急増している。その影響で首都アテネ(Athens)ではスモッグが発生するなど、都市部での大気汚染の懸念が出ている。

 ギリシャ北部は冬の寒さが厳しく、気温が氷点下15度にまで下がることもあり、暖房の問題はより深刻だ。

 経済危機に陥ったギリシャでは、多くの家庭が家計に困窮しており、失業率も27%と高いままになっている。(c)AFP