【12月3日 AFP】米ニューヨーク(New York)市ブロンクス(Bronx)地区で1日に起き乗客4人が死亡、67人が負傷した列車脱線事故について、米国家運輸安全委員会(National Transportation Safety BoardNTSB)は2日、事故発生時の列車が制限速度の3倍近い速さで走行していたと発表した。

 マンハッタン(Manhattan)の北で事故を起こした列車からは、最前と最後車両に取り付けられていたブラックボックスが回収され、米国家運輸安全委員会による調査が進められていた。

 米国家運輸安全委員会のアール・ウィーナー(Earl Weener)委員によると、ブラックボックスの暫定調査結果として、事故現場のカーブでは制限速度が時速30マイル(同48キロ)に設定されているが、事故を起こした列車は同82マイル(同131キロ)で進入していたことが分かった。

 また事故発生直前に列車のスロットルがアイドル状態になっていたことに加えて、ブレーキの圧力が失われていたことも分かったという。ウィーナー委員は、委員会は今後、得られたデータを精査し、「スロットルとブレーキがなぜゼロになったのかを突き止める」と述べた。ただ、現時点において、ブレーキの異常および問題は認識していないとも加えた。

 アンドルー・クオモ(Andrew Cuomo)・ニューヨーク州知事は同日これに先立ち、米NBCテレビに対し、「線路の問題、列車設備の問題、人為的ミス」の3点が考えられると説明している。クオモ州知事は、「専門家らと共に検証したが、原因は速度に関連していた可能性が高い」との見解を示し、事故発生地点の大きくカーブした線路だけを事故の原因とすることは難しいと指摘した。

 事故が起きた現場は、スパイテンダイビル(Spuyten Duyvil)駅すぐ北側にあるきつい下りのカーブ。乗客数人は、列車がこのカーブに差し掛かる際、通常よりも速い速度で走行していたと証言している。(c)AFP/Brigitte DUSSEAU