【12月2日 AFP】東京電力(TEPCO)は1日、福島第1原子力発電所で試験運転中だった汚染水処理設備「多核種除去設備(ALPS、アルプス)」2系統のうち、1系統から塩酸が漏れ出している部分が見つかったため、運転を停止したと発表した。

 東電によると、アルカリ性の処理水を中和するために使用していた塩酸が配管の継ぎ手から漏れているのが確認された。継ぎ手にはビニール袋を巻き付ける処置を施したが、袋にはすでに1リットルほどの塩酸がたまっているという。現在、漏出の原因は調査中だという。

 3系統が設置されたALPSは、増え続ける大量の汚染水の処理に重要な役割を果たすものと期待されており、2系統が1日から本格的に運転を開始する予定だった。

 しかし、9月下旬にはゴム製のシートが排水口をふさいでいたとして、また10月には異常を示す警報が鳴り停止するなど、トラブルが相次いでいる。(c)AFP