【12月1日 AFP】イタリア・セリエA、ACミラン(AC Milan)のオーナーを務めるシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)氏が30日、前日に辞任を示唆したアドリアーノ・ガッリアーニ(Adriano Galliani)CEOが、クラブに残ると明言した。

 クラブの副会長でもあるガッリアーニ氏は、このところのチームに対する批判の高まりを受け、数日以内に辞任するとコメントしていた。

 こうした事態のきっかけは、今季ここまでのチームの悲惨な成績にあり、順位表の下半分に低迷するミランは、来季の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2014-15)出場権が得られる3位とは勝ち点14差をつけられている。

 これまで首相を複数回務めた経歴を持つが、脱税による実刑が確定した後の先週、議員資格をはく奪されたベルルスコーニ氏は、「ミランに平穏が戻った。アドリアーノ・ガッリアーニは現職にとどまる」と語った。

 ベルルスコーニ氏は後に声明を発表し、ミランの新しい組織構造についてクラブ内で合意が得られたと述べた。それによればガッリアーニ氏はスポーツ部門を統括し、その他のすべての部門は、ベルルスコーニ氏の娘であるバルバラ・ベルルスコーニ(Barbara Berlusconi)氏が率いるという。

 イタリアメディア界の大物である77歳のベルルスコーニ氏は、「私については、もう少しクラブとチームに近い立場になることを約束する」とも語った。

 ベルルスコーニ氏の声明についてコメントを求められたガッリアーニ氏は、チームがカターニア(Calcio Catania)とのアウェーゲームへ飛び立つミラノ郊外のマルペンサ空港(Malpensa Airport)で、「オーナーの言葉は34年にわたって絶対であり、コメントを加えられるものではない」と答えた。

 イタリアメディアでは、このところガッリアーニ氏のクラブ運営について公然と批判を行っていたバルバラ・ベルルスコーニ氏が、クラブの実権を握ろうとしているのではとの憶測が広がっていた。(c)AFP