【11月29日 AFP】中国空軍は28日、同国が尖閣諸島(Senkaku Islands、中国名:釣魚島、Diaoyu Islands)を含む東シナ海(East China Sea)の空域に設定した防空識別圏(ADIZ)に複数の戦闘機と早期警戒機1機を出動させたと発表した。同国国営メディアが29日伝えた。

 新華社(Xinhua)通信によると、同国空軍の申進科(Shen Jinke)報道官の話として、これらの戦闘機は「国際慣例にのっとった防衛措置」である通常の空中パトロールを行ったという。さらに同報道官は、同国空軍が高度警戒態勢を維持し、領空の安全を守るための措置を講じる方針であるとも伝えた。

 28日には日本と韓国も、自国の航空機が中国へ事前通告せずに防空識別圏内を飛行したと発表。26日にB52爆撃機を同圏内で飛行させた米国と足並みをそろえる形になった。

■中国、「まず日本の防空識別圏を撤回せよ」

 中国が設定したこの防空識別圏について各国から批判が集中する中、中国側はすでに防空識別圏を設定・維持している米国と日本が二重基準を押し付けていると批判、実際に挑発しているのは日本の方だと指摘している。

 中国国防省の楊宇軍(Yang Yujun)報道官は28日、1969年に防空識別圏を設定した日本には中国に対して「無責任な発言をする権利はない」として、「撤回を要求するのであれば、まず日本側の防空識別圏の撤回を求める。そうすれば中国も44年後に(撤回を)検討してもよい」と述べた。(c)AFP/Carol HUANG