【11月27日 AFP】ボクシング選手のマニー・パッキャオ(Manny Pacquiao)が26日、米国で得た高額のファイトマネーの税金を滞納していると疑われ、フィリピン当局に国内の全銀行口座を凍結されていることを明らかにした。

 このため8階級制覇を達成したフィリピンの英雄は、母国では金銭的に身動きが取れない状態にある。

 パッキャオは国内大手テレビ局ABS-CBNで、数か月前に同国の内国歳入局(Bureau of Internal Revenue)に凍結命令を下されたことを初めて明かし、「当局の嫌がらせだ」と語った。

 パッキャオが話したところによると、フィリピン当局は同選手が2008年と2009年に米国で行った試合で得た収入分の税金、約22億ペソ(約51億円)の支払いを回避したと疑って行動を起こしたという。キャリアの全盛期にあったパッキャオは当時、数千万ドルを稼いでいた。

 フィリピンと米国は、両国の市民が二重課税を回避できるよう租税条約を結んでおり、パッキャオは納税は米国で済ませてあると語る。

 それを証明する書類を提出したにもかかわらず、フィリピン当局は受け取りを拒否したという。

「私は犯罪者でも盗っ人でもない。隠すことは何もない。問題が起これば正面から立ち向かう」

「税金はすでに米国で支払っている。そうでなければ(米当局が)私を追い回し、入国も認めないだろう」

■フィリピンの国税局も反撃

 これに対してフィリピンの内国歳入局も、パッキャオとジンキー(Jinkee)夫人の国内口座を凍結していることを認めた。

 しかしながら同局のキム・エナレス(Kim Henares)長官は、凍結した預金額は合計で110万ペソ(約250万円)に過ぎないことを明かし、嫌がらせではないと主張した。

 エナレス長官はAFPに対して「まさか、パッキャオが110万ペソしか持っていないはずがないでしょう。残りはどこにあるかって? 分かりません。そちらについてはつかんで(差し押さえて)いません」とコメントした。(c)AFP