【11月25日 AFP】オーストラリア当局は25日、国際麻薬組織が不法薬物を国内に密輸する手段として高校生たちが利用されているとの警告を発表した。

 オーストラリア税関・国境警備局(Australian Customs and Border Protection Service)によると、高校生たちは、麻薬前駆物質が入った小包の送り先として利用される自宅の住所を明かすようそそのかされているという。発送元は中国で、引き換えに数百ドルを受け取っているという。

 同警備局のティム・フィッツジェラルド(Tim Fitzgerald)氏によると、組織は生徒に接近して手軽に金が稼げるとたぶらかし、違法薬物などが入っていることを隠して生徒に小包を受け取らせるか引き取りに行かせる。そして小包の第1受取人となった生徒が、薬物入り小包を組織に渡すという仕組みだ。 

 今年に入って発覚したシドニー(Sydney)での事例では、2人の10代の生徒が小包を受け取った報酬として数百ドルを受け取っていた。小包の1つは4キロものエフェドリンが入っており、これはクリスタルメスと呼ばれる興奮剤、25万豪ドル(約2300万円)相当分を合成するのに十分な量だ。

 フィッツジェラルド氏によれば、小包は一見、安全に見えるが、薬物は郵送物品の中に隠されている。このためフィッツジェラルド氏は、SNSサイトや電子メールなどで小包の受け取りを依頼されても断るよう高校生たちに呼びかけているという。(c)AFP