【11月22日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)の動物園で今週生まれたばかりのライオンの双子の赤ちゃんが、健康状態が悪化して21日に2頭とも死んだ。動物園職員がAFPに明らかにした。

 双子のライオンは、ガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)が運営する動物園で、2012年11月に起きたイスラエルとハマスの衝突から1年を迎えてから1週間たたずに生まれ、「ファジル(Fajr)」、「セッジール(Sijil)」(それぞれアラビア語で「夜明け」と「粘土」の意)と名付けられていた。

 動物園の飼育係長はAFPに対し、職員の経験不足に加え、イスラエルのガザ地区封鎖でライオンの出産や飼育に必要な餌や医薬品などの物資が不足したことが2頭を死なせてしまった原因だと語った。

 両親のライオンは、イスラエルの封鎖措置をかいくぐって4年前に隣国のエジプトから持ち込まれていたという。エジプトで7月にムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)前大統領が解任されて以降、イスラエルが持ち込みを禁じている物資のパレスチナへの密輸に使われていたトンネルは、ほぼ全て破壊された。(c)AFP