台風直撃のフィリピン中部、商売も存続の危機に
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【11月21日 AFP】猛烈な台風30号(アジア名:ハイエン、Haiyan)が直撃したフィリピン中部では、家屋や人々の生活が壊滅的な被害を受け、小規模商業を営む人々の暮らしが危ぶまれている。
上陸した台風として観測史上最大規模の台風30号の被災者らは、食糧も水も手に入らない中、生き延びるという当面の課題のために、商売の将来の計画を犠牲にしなければならない状況に置かれている。
レイテ(Leyte)島沿岸部のタナウアン(Tanauan)のアレダ・アファブレ(Aleda Afable)さんは、飼育していた牛のうち高潮から辛うじて生き残った1頭を食すため解体するか、なけなしの財産として殺さないでおくかの選択を迫られた。
だが結局、この過酷な状況で選ぶべき道は一つしかなかった。「この土地の復興には恐らく数か月、いや1年以上かかる。救援物資がなかなか届かず、牛の解体を余儀なくされた」とすすり泣きながら話した。
アファブレさんは、数日間ほとんど何も食べていなかった隣人たちと肉を分け合った。アファブレさんの家は比較的、裕福で、3階建ての自宅はタナウアンで台風による倒壊を免れた数少ない家屋の一つだ。
タナウアンは先祖代々の家や教会が立ち並ぶ活気あふれる町だったが、大通りに面した店は今はがれきと化してしまった。台風で損壊したが持ちこたえている金物店の外で、食べる物を探しに出掛けた母親を待っていたアイビー・ジョイ・ロゼット(Aivee Joy Rosette)さん(15)は「お母さんは店をまた開きたいと話しているけれど、私はここを離れたい。今も怖いし、どのみちここには誰も残っていない」と話した。
近隣のサマール(Samar)島は高潮による最悪の被害は免れたものの、風速90メートル近くという暴風の影響を受けた。ただ、商業活動の復活の兆しは見え始めている。ギワン(Guiuan)では商人たちが教会の前の広場で間に合わせの露店を開き、新鮮な魚や卵、生きたニワトリなどを売っていた。
東サマール(Eastern Samar)州のベン・エバルドネ(Ben Evardone)州知事は、地域経済の柱であるココヤシの木の80%がダメになったと述べ、新たに植林して実がなるまで最低でも3~5年はかかると話した。(c)AFP