【11月20日 AFP】カナダ・オンタリオ(Ontario)州の裁判所で19日、麻酔をかけられた女性計21人にわいせつな行為を働いていた麻酔医の男に有罪判決が言い渡された。女性たちは体を動かすことはできなかったが、意識はある状態だったという。

 トロント(Toronto)にあるノース・ヨーク総合病院(North York General Hospital)の麻酔医だったジョージ・ドゥードノート(George Doodnaught)被告は2010年までの4年間、複数の女性患者にキスをしたり体をなでまわしたり、オーラルセックスを強要した罪などに問われていた。女性たちは何をされているか認識していたが、麻酔のために動けない状態だったという。

 裁判で被告側は、被害女性らの訴えは鎮静薬が記憶にもたらす幻覚作用による鮮明な性的妄想にすぎないと述べ、カーテンで仕切られただけの手術室で、被告が他人に気付かれずに患者にわいせつな行為を働くことは不可能だと主張した。

 証言台に立ったある研究者は、麻酔で幻覚が起きることはあり得るとしたうえで、もし、そうであれば互いを知らない女性患者たちが個別に、同じ麻酔医からの性的被害を訴え出る状況は考えにくいと述べた。

 一方、検察側は、同被告は経験豊富な医師で手術室の繁忙時を把握しており、他者に気付かれないよう短時間でのわいせつ行為に及んでいたと主張した。

 判事は、「被告は被害女性たちが抵抗できないよう投与する麻酔の量を調節し、訴えられても麻酔の影響だと言い逃れをはかった」と判決理由を語った。

 同被告は12月、量刑言い渡しの日にち決定のため再び出廷する。(c)AFP