【11月19日 AFP】米テキサス(Texas)州ダラス(Dallas)にあるダラス動物園(Dallas Zoo)で17日、オスのライオンが突然いきり立ち、おびえる見学者たちの目の前で、メスのライオンを殺す事件があった。

 同動物園によると、事件のあった飼育舎では互いにきょうだいのオス2頭、メス3頭のライオンが飼育されていた。ライオンたちは仲が良く、これまで数年間、何も問題なく一緒に過ごしてきた。しかし、オスのうち1頭が17日、突然5歳のメス「ジョハリ」の首にかみつき、ジョハリはまもなく死んだ。

 同動物園のリン・クレイマー(Lynn Kramer)氏は「非常にまれで不幸な出来事。動物園の獣医師としての35年間の自分のキャリアの中で、こんなことは起きたことがない」と述べた。

 見学していたマイケル・ヘンショーさんは現地テレビ局WFAAの取材に対し「最初はふざけているんだと思った。けど、途中で殺そうとしているんだと気付いた。見ているしかなかった。信じられない場面だった」と語った。

 別の見学者ディラン・パーカーさんは、不気味なほど静かな殺し方で、オスのライオンはジョハリの隣に座りながら、「ジョハリが動かなくなるまで、10分ほどじっと首にかみついていた」と語った。

 動物園によれば、攻撃の原因は不明だが、ライオンは野生の中では時々、自分の群れの仲間を殺すことがあるという。ダラス動物園では事件の直後、飼育係が残ったオスとメスをすぐに引き離し、警備係が見学者にライオンの飼育舎から離れるよう誘導した。攻撃について調査を行う間、オスとメスは別々の飼育舎に分けておく予定だが、メスを殺したオスライオンを安楽死させることは「絶対にしない」と述べている。(c)AFP