【11月19日 AFP】世界反ドーピング機関(World Anti-Doping AgencyWADA)が、ソチ冬季五輪を数か月後に控えて、ロシア・モスクワ(Moscow)のドーピング検査所の認定を暫定的に取り消すと発表した。

 同検査所のテストの質に疑問があるとして懲戒手続きを取ったWADAは、期日を定めてテスト結果の信頼性を向上させるよう求めている。

 WADAは、12月1日までに独立した「品質管理」の専門家を招き入れ、「誰もが検査結果の正確度と信頼性に自信を持てるように」と、同検査所に対して期日を設定したと声明を発表した。

 この期限は、2月7日から23日にかけて開催されるソチ冬季五輪の薬物検査に直接的に関わってくるものとなる。

 WADAは2度目の期限を2014年4月1日に設定し、それまでに検査所は薬物検査のプログラムの改善を「完了」させなければならない。

 この2つの要求が指定された期限までに完了となれば、6か月間の認定の取り消しは効力を発揮することはない。しかし、認定が取り消されれば、同検査所は冬季五輪で選手の尿や血液サンプルの薬物検査を行えないことになる。

 WADAは、ブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)の検査所の認定を8月に取り消しており、このため2014年サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)の主催者は薬物検査のサンプルをブラジルからスイスへ空輸せざるを得なくなっている。

 リオデジャネイロは2016年には夏季五輪も控えており、五輪の開催を予定している2都市が検査の認定をなくす可能性があるという開催国にとっては困惑する状況となっている。(c)AFP