【11月19日 AFP】フランスの警察は18日、同日朝に首都パリ(Paris)の左派系新聞社リベラシオン(Liberation)本社で発砲し、散弾銃を持って逃走した男の大規模な捜索を開始した。事件では同社勤務のカメラマン1人が撃たれ重体となっている他、男は大手銀行の本社前でも発砲したとみられている。

 同市では、各報道機関前や有名なシャンゼリゼ(Champs Elysees)通り沿い、地下鉄ネットワーク「メトロ(Metro)」の駅入り口など各所に警察官が配備された。

 野球帽をかぶり、12番口径の散弾銃を持った男は、同日午前10時15分(日本時間午後6時15分)ごろ、同市中心部にあるリベラシオン紙本社で発砲。27歳のカメラマンが胸部と腹部に被弾して重体となり、病院に搬送された。リベラシオン紙によると、このカメラマンは同紙とフリーランス契約を結んでおり、この日が出勤初日だった。病院で手術を受け、現在は集中治療室に入っているという。

 男はその後、市内を横断して金融街ラ・デファンス(La Defense)地区に入り、大手銀行ソシエテ・ジェネラル(Societe Generale)本店前でも数発発砲したとみられているが、けが人はいなかった。報道によると、男はさらに車を乗っ取り、運転手に銃を突きつけてシャンゼリゼ通り近くで降ろすよう強要したとされる。

 未確認の情報では、男は2度の発砲に使用した狩猟用の連射式散弾銃に加え、手りゅう弾を携行している恐れもあるという。犯行の動機は不明。

 同市では前週15日にニュース専門テレビ局BFMTVの本社に侵入した男が、取り出したポンプアクション式ショットガンを再装弾して空の弾薬筒を床に残した後「次は外さないぞ」と編集幹部をおどす事件が起きている。警察は防犯カメラの映像などから2つの事件を同一人物による犯行とみている。

 検察当局は防犯カメラの映像を公開。容疑者は白人で年齢35~45歳、中背で髪には白髪が交じっており、無精ひげを生やしているとしている。(c)AFP/Tupac POINTU, Cyril TOUAUX