JFK暗殺から50年、目撃者たちが語るあの日
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【11月13日 AFP】1963年11月22日の正午頃、ジェームズ・ターグ(James Tague)さんは米テキサス(Texas)州ダラス(Dallas)で渋滞に巻き込まれていた。彼が歴史的瞬間の目撃者になった日だ。
当時27歳の自動車セールスマンだったターグさんは、ジョン・F・ケネディ(John F. Kennedy)大統領の車列が通り過ぎるのを待っていた。リンカーン・コンチネンタルのオープンカーに乗った大統領は、シークレットサービスに護衛されながら群衆に手を振っていた。彼の隣には妻ジャクリーン(Jacqueline Kennedy)夫人が、またテキサス州知事のジョン・コナリー(John Connally)夫妻も同乗していた。
「国旗をつけた車が群衆のなかを通り過ぎていくのに気付いた」と、ケネディ暗殺から50年を前に、ターグさんは当時を振り返りながらAFPに語った。「ちょうどそこで、ケネディ大統領がダラスを訪れていると、その日の新聞で読んだことを思い出したとき、クラッカーのようなパンという音がした」
「それが1発目だった。それから少しの間があり、ライフルの銃声が2発続いた」と、ターグさんは言う。
そしてターグさんは自分の右頬に熱いものを感じた。歩道に当たって跳ね返った銃弾が頬をかすっていたのだと気付いたのは後になってから。その瞬間は気が動転して、一体何が起こったのか分からなかった。
数分後、私服の保安官が近付いてきて、何が起きているのかとターグさんに聞いた。「分からないと答えたが、私たちは白バイの警官が近くの小高い丘で何人かに話を聞いているのを見た」と、ターグさんは言う。
「私たちがそこに駆けつけると、男性が嗚咽しながら『頭が吹き飛んだ、彼の頭が吹き飛んだ』と繰り返していた。警官が『誰の頭だ?』と聞くと、その男は『大統領の』と答えた」
そのときすでに、大統領を乗せた車は猛スピードで病院へ向かっていた。
重傷を負ったコナリー知事以外では、頬に軽傷を負ったターグさんが唯一の負傷者だ。この50年前の11月22日は今も、米国人の心に暗い影を落としている。