【11月13日 AFP】(一部更新)スイス・ジュネーブ(Geneva)で12日、世界最大の14.82カラットのオレンジダイヤモンドが競売にかけられ、2900万フラン(約31億円)で落札された。

 オレンジダイヤは、ダイヤモンドの中でも非常に珍しい種類。ジュネーブの高級ホテルで競売大手クリスティーズ(Christie's)が行ったオークションには、「ジ・オレンジ(The Orange)」と呼ばれる燃えるような色をしたアーモンド形のダイヤを目当てに、約200人が詰めかけた。

 落札者は落札価格の他に、税金と手数料合わせて404万ドル(約4億円)を支払う。クリスティーズが示していた落札予想価格は、1700万~2000万ドル(約17億~20億円)だった。

 落札したのは男性だが、クリスティーズは身元を明らかにしていない。

 この深いオレンジ色のダイヤモンドは、南アフリカで発見された。「ファイアー・ダイヤモンド」とも呼ばれる純色のオレンジダイヤは非常にまれで、競売にかけられた例はほとんどない。過去にオークションにかけられたオレンジダイヤは、大きいものでも6カラット以下だった。

 1990年には4.77カラットのイエローオレンジのダイヤ「グラフ・オレンジ(Graff Orange)」が392万ドル(約3億9000万円)で売却され、1997年には5.54カラットのビビッドオレンジのダイヤ「パンプキン(Pumpkin)」に132万ドル(約1億3000万円)の値が付いた。

 カラーダイヤは非常に珍しく、ホワイトダイヤよりもさらに希少な存在。1カラット当たりの価格は、クラリティ(内包物の少なさ)が最も高い「フローレス」のホワイトダイヤモンドよりも高値になっている。

 グリーンダイヤは地中の放射線、ブルーダイヤはホウ素によって着色する。イエローダイヤは窒素によって着色し、まれにオレンジに変色する。一方、ピンクダイヤは、形成される過程で結晶格子にゆがみが生じ、色が変化することによってできる。

 なお、クリスティーズと競合するサザビーズ(Sotheby's)は13日にジュネーブで、フローレスの59.60カラットのビビッドピンクダイヤモンド「ザ・ピンク・スター(The Pink Star)」のオークションを行う。提示価格は6000万ドル(約59億7000万円)とされている。(c)AFP/Nina LARSON