【11月13日 AFP】世界高層ビル協会(Council on Tall Buildings and Urban HabitatCTBUH)は12日、米ニューヨーク(New York)で建設中の高層ビル「ワン・ワールド・トレード・センター(One World Trade Center)」が完成すれば、シカゴ(Chicago)のウィリス・タワー(Willis Tower、旧シアーズ・タワー、Sears Tower)を抜き、全米一高いビルとなると発表した。

 CTBUHの建築家らは、ワン・ワールド・トレード・センターの長さ124.4メートルのアンテナが建物の「恒久的な建築上の特徴」であり、建物全体の高さに含めるべきとの判断で一致した。

 アンテナ抜きの高さは417メートルで、ウィリス・タワーの442メートルより低かった。アンテナには当初、外装が施される予定だったが、これが外されることになったため、建物の一部とはみなされない「機能的・技術的な設備」に当たるのではないかとの見方が出ていた。

 だがCTBUHは、このアンテナが建物の一部とみなされる「尖塔」に当たるとの判断を示した。

■完成すれば世界で3番目に高いビルに

 ワン・ワールド・トレード・センターは、米同時多発テロで世界貿易センタービルが崩壊した現場で建設が進められている。

 CTBUHのアンソニー・ウッド(Antony Wood)会長は、「ワン・ワールド・トレード・センターのデザインは、この重要な場所における『復活』のシンボルとしての役割を強化するものだという説明を受けた。特に、象徴的な高さである地上から1776フィート(541メートル)の場所で輝くビーコン(標識灯)が備え付けられた尖塔は、対岸の自由の女神(Statue of Liberty)の最上部に据えられた同様に象徴的なビーコンと呼応し、心を打つものだ」と述べている。

 米国の独立宣言は1776年に起草されたことから、同センターの高さは「この場所に建っていたワールド・トレード・センターが攻撃で破壊された中で、建国の背後にあった原則を再確認するために選ばれた」とCTBUHは述べている。

 ワン・ワールド・トレード・センターは、完成すればドバイ(Dubai)の「ブルジュ・ハリファ(Burj Khalifa)」(830メートル)、サウジアラビア・メッカ(Mecca)の「メッカ・ロイヤル・クロック・タワー(Makkah Royal Clock Tower)」(601メートル)に次ぎ世界で3番目に高いビルとなる見込み。(c)AFP