【11月11日 AFP】「銃による暴力」が登場するシーンが米国の映画で急増しており、特に1985年以降、映画視聴の年齢制限審査で13歳以上に適するとされた映画で3倍に増加したとする研究が11日の米小児科専門誌「ピディアトリクス(Pediatrics)」に掲載された。

 米国とオランダの大学の研究者が発表した同報告によると、2012年に「PG-13」指定(13歳未満の視聴には親の厳重な注意が必要)された映画では、同年「R」指定(17歳未満の視聴には成人保護者の同伴が必要)された映画よりも、銃による暴力のシーンが多かったという。

■PG-13映画で増える「銃による暴力」

 研究チームは、1950~2012年までの各年のトップ30映画から選んだ計945本について、銃による暴力のシーンの数を調査。「銃による暴力」は、生きた標的に命中する発砲と定義した。携行式ロケット弾や迫撃砲、また狩りのシーンも除外された。

 結果、銃による暴力は1950年から倍増し、特に1985年に年齢制限審査に導入された「PG-13」映画で急増していた。

 2009年以降、PG-13指定の映画における銃による暴力の頻度は、R指定の映画と同等か多くなっていた。さらに2012年には、銃による暴力のシーンはPG-13映画の方がR指定の映画よりも平均して多かった。2012年に興行成績ランキング上位だったR指定映画における銃による暴力シーンは、5分間のシーンを1単位として1時間あたり2.15回登場したのに対し、PG-13映画ではこれが3回に上った。

■R指定の続編がPG-13指定に

 論文の共同執筆者、米ペンシルベニア大学(University of Pennsylvania)のダニエル・ローマー(Daniel Romer)氏は、AFPのメール取材に対し「学校や公共の場所での昨今の銃乱射事件の増加と直接関連付けはしないが、映画の中の銃による暴力シーンの増加とそうした事件の増加は確かに一致している。(また)かつてR指定を受けた映画が、最近発表された続編ではPG-13指定を受けていることの対比は興味深い」と述べた。そうした映画には「ターミネーター(Terminator)」シリーズや、「ダイ・ハード(Die Hard)」シリーズなどが含まれている。

 過去の研究では、暴力的なメディアが若者に有害な影響を及ぼす可能性が指摘されている。「仮に若者が(本物の)銃を使わなくても、PG-13映画の人気の高まりを受けて、若者たちは映画の中で、少なからぬ銃による暴力にさらされている。こうした映画にただ銃が存在するだけで、若者の攻撃的行動を増やすかもしれない」と報告書は結論付けた。(c)AFP/Kerry SHERIDAN