【11月8日 AFP】イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は8日、イスラエル・テルアビブ(Tel Aviv)近郊のベングリオン(Ben Gurion)国際空港で中東を歴訪中のジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官と会談し、米国のイラン制裁一部緩和の動きを強く牽制した。

 ケリー長官は、イランのモハマド・ジャバド・ザリフ(Mohammad Javad Zarif)外相、欧州連合(EU)のキャサリン・アシュトン(Catherine Ashton)外交安全保障上級代表との三者会談が行われるスイス・ジュネーブ(Geneva)へと向かう途中でベングリオン空港に立ち寄り、ネタニヤフ首相と会談した。

 ジュネーブでは7日から、国連安全保障理事会(UN Security Council)の常任理事国(米英中仏露)にドイツを加えた6か国とイランとの間でイランの核開発問題をめぐる協議が行われている。今回の協議では、長年こう着状態にあったこの問題で何らかの進展があるとの見方が一部関係者の間で広がっており、対イラン制裁の一部緩和の可能性も出ている。

 しかし対イラン制裁の解除に強硬に反対するネタニヤフ首相は、ケリー長官との会談後の記者会見で、「歴史的な協定」を締結すべくイランとの協議に臨む国際社会への不満を表明。「イランの核問題でいかなる国際合意がなされようとも、イスラエルは受け入れない」と述べ、いつ何時でも必要とあれば自国を防衛できる権利を保持するとし、先制攻撃の可能性をちらつかせ警告を発した。