【11月8日 AFP】バングラデシュの首都ダッカ(Dhaka)で今春に起きた縫製工場ビル倒壊事故で、このほど政府のDNA検査によって死亡が確認された犠牲者の遺族が7日、当局によって埋葬された愛する家族の墓を訪れ、その死を嘆き悲しんだ。

 4月にダッカの縫製工場複合施設「ラナプラザ(Rana Plaza)」が倒壊した事故では1134人が死亡したが、うち322人は遺体の損傷が激しかったため身元が確認できず、腐敗と感染症の発生を恐れた当局によってダッカ市内の国営墓地に埋葬された。遺体から採取したDNAから身元の割り出しを進めていた当局は今月4日、157人の身元が特定できたと発表。事故犠牲者として政府にリストを提出し、遺族は政府の補償を受けられることになった。

 しかし、身元が確認できなかった165人については、事故から半年が経過した現在も遺族は何の補償も受けられないままだ。当局はこの165人のDNAを再分析する予定だが、専門家はDNAの採取方法が不適切だったとして再検査の結果には懐疑的だ。(c)AFP