【11月6日 AFP】コンゴ民主共和国(旧ザイール)の反政府武装勢力「M23(3月23日運動)」と国連軍の支援を受けた政府軍が約1年6か月にわたり続けてきた戦闘で5日、M23が降伏することを明らかにした。M23は、「火薬庫」とも称される同国東部を拠点に活動していた。

 東部・北キブ(North Kivu)州の州都ゴマ(Goma)北方の丘陵頂上部に拠点を構えていたM23の兵士ら約200人は、同日夜間のうちに投降。その後に発表した声明でM23は、「抵抗をやめる」と述べ、「政治的な方法」を通じて目標の達成を目指す意思を明らかにした。

 5日のM23の降伏について、コンゴ民主共和国政府のランバート・メンデ(Lambert Mende)報道官は、「政府の完全な勝利だ」と述べた。敗走したM23の兵士らについては、隣国ルワンダへ向かったとの見方を示している。地元当局者によると、M23の指導者スルタニ・マケンガ (Sultani Makenga)大佐もその中に含まれていたという。

 国連軍の支援を受けた政府軍は10月25日、M23に大規模な攻撃を仕掛けた。激しい攻撃を受けたM23は、退却を余儀なくされゴマ北方80キロの丘陵に拠点を構えた。

 M23は2日に停戦を呼び掛けたが、政府軍は攻撃を続けた。3日午後には、これまで後方支援に徹してきた国連軍もより直接的な軍事行動に加わり、5日のM23の降伏へとつながった。

 同国政府は、過去50年あまりで最大ともいえる軍事的勝利を受け、この勢いを維持したまま、地域内で活動する隣国ルワンダのフツ(Hutu)人民兵らに対しても、攻勢をかけたいとしている。

 国連の専門家やコンゴ民主共和国政府は、M23がルワンダの「操り人形」だと繰り返し主張してきた。M23への武器供給にとどまらず、自国の兵士までも送り込んでいるとしてルワンダ政府を非難している。

 メンデ報道官は、今後の政府軍の活動について、94年のルワンダ大虐殺に加担した後、内戦に敗れてコンゴ東部に逃げ込んだフツ系民兵が中心となっている「ルワンダ解放民主軍(FDLR)」の「武装解除」を進めるつもりと述べた。(c)AFP/Habibou BANGRE