【11月5日 AFP】カナダの携帯情報端末大手ブラックベリー(BlackBerry)は4日、筆頭株主であるカナダの金融大手フェアファクス・ファイナンシャル・ホールディングス(Fairfax Financial Holdings)への身売りを断念し、代わりに10億ドル(約990億円)の資金調達を行うと発表した。また、最高経営責任者(CEO)の辞任も発表した。

 フェアファックスは2か月半前、ブラックベリー買収で合意したと発表していた。だがその代わりに、同社が発行する10億ドルの社債を購入し、同社の最高経営責任者であるプレム・ワトサ(Prem Watsa)氏がブラックベリー社の会長に就任することとなった。

 またブラックベリーのトーステン・ハインズ(Thorsten Heins)CEOは辞任し、後任が決まるまで、ソフトウエア企業サイベース(Sybase)の元CEO、ジョン・チェン(John Chen)氏が暫定CEOを務めると発表した。

 ブラックベリーは8月に身売りを検討していると発表。売却先として交流サイト(SNS)最大手フェイスブック(Facebook)や中国のパソコン大手、聯想(レノボ、Lenovo)などの名が挙がっていたが、契約までには至らなかった。

 チェン氏は、ブラックベリーの「ビジネスモデルの転換」を主導していくことを楽しみにしていると同時に、温かい目で見守ってほしいと述べた。「ブラックベリーは大きな潜在力をもった象徴的ブランドだ。だが成功に導くには時間と統制、厳しい決断が必要とされる」と語った。(c)AFP/Michel COMTE