【11月4日 AFP】米航空宇宙局(NASA)の水星探査機メッセンジャー(MESSENGER)に搭載された、水星デュアル撮像システム(Mercury Dual Imaging SystemMDIS)の広角カメラが捉えた水星の画像。MDISは週に1度、主に水星の南極側の周縁を撮影している。

 暗い陰から太陽の光が当たっている部分に向かって撮影された画像の中央付近に際立って見えるのは、名前の付けられていない直径120キロの巨大な衝突クレーター。その周囲には、2次クレーターが、衝突の際の噴出物によるとみられる複数の直線的な痕と共に放射状に並んでいる。光の当たり方から、最近できたクレーターではなさそうであることが分かるが、その他の大型クレーターに比べ、周囲により目立った2次クレーターが多いのが特徴的だ。

 メッセンジャーが撮影する周縁の画像は、水星の形状や地形に関する情報のほか、水星レーザー高度計(Mercury Laser AltimeterMLA)を使った北半球の地形に関する計測情報を補足する新たな情報をNASAに提供している。

 メッセンジャーは、水星周回軌道に投入された史上初の探査機。搭載した7種類の科学機器による電波科学などに関する調査は、太陽系の最も内側にある水星の歴史や進化の詳細を少しずつ、明らかにしている。(c)AFP