【11月3日 AFP】2013年シーズンのMLBワールドシリーズを制したボストン・レッドソックス(Boston Red Sox)が2日、地元米ボストン(Boston)で優勝パレードを行った。

 レッドソックスの選手らはパレードで市内を回り、4月のボストン・マラソン(Boston Marathon)の開催中に起きた爆発事件の犠牲者に哀悼の意を示した。

 レッドソックスは30日、本拠地でセントルイス・カージナルス(St. Louis Cardinals)に6-1で勝利し、過去10年間で3度目のワールドシリーズ制覇を果たしている。

 選手らは「ダック・ボート(duck boat)」の名で知られる観光用の水陸両用車に乗り込み、フェンウェイ・パーク(Fenway Park)からコプリー・スクエア(Copley Square)地区まで移動すると、2度の爆発によって3人が命を落とした場所にほど近い、ボストン・マラソンのゴール地点で停止した。

 外野手のジョニー・ゴームス(Jonny Gomes)はワールドシリーズのトロフィーをフィニッシュライン上に置き、さらに捕手のジェレッド・ サルタラマッキア(Jarrod Saltalamacchia)とともに、ボストンの電話地域番号である617、さらに通常は選手名が入る位置に「Boston Strong」と記されたレッドソックスのユニホーム2着を置いた。

 このメッセージは、ボストン・マラソンの悲劇から立ち直りを目指す街のテーマであり、レッドソックスの選手控室には、この言葉が記されたユニホームが常に掛けられていた。

 パレードは、選手と見物客が「ゴッド・ブレス・アメリカ(God Bless America)」を歌った後に再開され、市庁舎前を通って最後にチャールズ川(Charles River)に達した。

 昨季のレッドソックスはア・リーグ東地区の最下位で、今季の優勝争いに食い込むとは誰も予想していなかったが、新たに就任したジョン・ファレル(John Farrell)監督が率いたチームは地区優勝を果たすと、ついには1991年シーズンのミネソタ・ツインズ(Minnesota Twins)以来となる、前年の地区最下位からのワールドシリーズ制覇を達成した。

 ファレル監督は集まった人々に対し、「2月にキャンプ地のフォートマイヤーズ(Fort Myers)で集合した時、このチームが特別な集団だと確信した。そして30日にそれを証明することができた。ここにいるのはとても特別な集団だ」と語った。

 セレモニーでは、ジョン・レスター(Jon Lester)、ダスティン・ペドロイア(Dustin Pedroia)、デビッド・オーティス(David Ortiz)もマイクを取り、2004年以降に成し遂げた3度のワールドシリーズ制覇をすべて経験しているオーティスには、最も大きな歓声が送られた。

 オーティスは「俺たちは家族として常に団結していた。これまでで最も誇りに思えるチームの1つと言える。2004年や2007年当時のようなタレントはいなかったかもしれないが、思いやりと、何かを成し遂げたい気持ちを持った男たちが集まっていた」と語った。(c)AFP