【11月1日 AFP】18世紀にカリブ海から大西洋を股に掛けて荒らし回った伝説の海賊「黒ひげ(Blackbeard)」の海賊船のカノン砲5門を、米ノースカロライナ(North Carolina)州沖で引き揚げることに成功したと、同州当局が10月30日に発表した。

 ノースカロライナ州文化財課によると、大型のカノン砲5門は28日、同課所属の考古学者チームによって同州沖に沈んだ「黒ひげ」の海賊船「アン女王の復讐号(Queen Anne's Revenge)」の残骸から回収された。

 うち4門は重量が900~1360キログラムで、引き揚げプロジェクト責任者のビリー・レイ・モリス(Billy Ray orris)氏はこの中でも最大のカノン砲について、スウェーデン製だとの見方を示した。過去に回収された同サイズのカノン砲が全てスウェーデン製だったことを理由として挙げている。

 この海域では、これまでに約28万点の遺物が回収されている。海底にはそれぞれシングルベッドほどの大きさの堆積岩の塊2つがあるが、調査チームではこの塊の中に砲弾や財宝など海賊船の遺物が埋もれている可能性があるとみて、2014年中に完了予定の今回のプロジェクトで引き揚げを計画しているという。

 本名はエドワード・ティーチ(Edward Teach)とされる海賊「黒ひげ」は18世紀初頭、カリブ海や大西洋で悪名をはせ、船乗りたちや沿岸の米植民地の人々を恐怖に陥れたが、1718年に英国海軍との戦いで殺害された。同年、最後の戦いの前に座礁して放棄された「アン女王の復讐号」は、1996年にノースカロライナ州沖で発見されていた。(c)AFP