【10月30日 AFP】イタリア中部ジリオ(Giglio)島沖で昨年1月に座礁し、32人の死者を出したクルーズ船「コスタ・コンコルディア(Costa Concordia)号」をめぐる公判で、事故の瞬間に同号のブリッジ(船橋)にいたモルドバ人のバレリーナが29日、自分は船長の愛人だったと証言した。

 事故をめぐり過失致死罪などに問われている同号の元船長、フランチェスコ・スケッティーノ(Francesco Schettino)被告の公判に証人として出廷したドミニカ・チョモルタン(Domnica Cemortan)さんは、被告とは事故の直前、ブリッジに出る前に一緒に食事をしていたなどと証言し、愛人関係を認めた。また事故を起こした船には招待されて乗船し、料金は支払っていなかったことも明かした。

 国内のタブロイド紙から「イタリアで最も嫌われている男」と呼ばれる船長は、イタリアの船乗りの習慣である島民への「あいさつ」をするために、ジリオ島のすぐ近くを高速で航行し、事故を起こした責任を問われている。チョモルタンさんはこれまで、一貫して船長を強く擁護してきた。(c)AFP