【10月24日 AFP】英国レコード産業協会(British Phonographic IndustryBPI)は前週アナログレコード、いわゆるビニール盤の売上枚数がこの1年で倍増し、過去10数年で最高水準に達していると発表した。ダンス・シーンを席巻するフランス出身のエレクトロ・デュオ、ダフト・パンク(Daft Punk)の新作アルバムなどが貢献しているという。

 英国内で今年これまでに売れたレコードはアルバム(LP)が約55万枚で、2003年以降各年の年間売上枚数をすでに上回っている。この売れ行きが12月まで続いた場合、年間売上枚数は70万枚を超え、2001年以来最高となる。

 前年比倍増の勢いを見せるLP盤は、英国内で発売される音楽アルバム全体の0.8%を占めている。この割合は2007年には、わずか0.1%だった。

 英音楽賞「ブリット・アワード(Brit Awards)」の主催者でもあるBPIのジェフ・テーラー(Geoff Taylor)会長は「LPの流行が帰って来た。今われわれが目にしているのは、レコードの復活だ。もはやレトロ愛好家ではなく、多くの音楽ファンにとってメディア形態の選択肢の一つとなっている」と大歓迎している。

 今年のLP盤売り上げトップに立つのは、70年代ディスコ調のヒット曲「ゲット・ラッキー(Get Lucky)」が収録されたダフト・パンクの「ランダム・アクセス・メモリーズ(Random Access Memories)」。

 また、1月に10年ぶりのシングルを発表した英ロック歌手デヴィッド・ボウイ(David Bowie)や、元ビートルズ(Beatles)のポール・マッカートニー(Paul McCartney)、バンドでは英国のアークティック・モンキーズ(Arctic Monkeys)や米国のパール・ジャム(Pearl Jam)、カナダのアーケード・ファイア(The Arcade Fire)などが今年ビニール盤をリリースしている。(c)AFP