【10月23日 AFP】ジャマイカ反ドーピング委員会(Jamaica Anti-Doping CommissionJADCO)は22日、同国へ世界反ドーピング機関(World Anti-Doping AgencyWADA)が結成したチームが派遣され、監査が行われることを明らかにした。

 報道によれば、ジャマイカでは禁止薬物使用への対処の不手際が原因で、選手全員が五輪に出場できなくなる可能性も浮上している。

 ジャマイカ国内の22日のラジオ放送によると、JADCOの理事会議長であるハーバート・エリオット(Herbert Elliott)医師は、3人からなるWADAの強力なチームがジャマイカを2日間にわたって訪れ、特別監査を行うと発表した。

 同ラジオで引用された内容によれば、エリオット医師は「WADAは来週の月曜と火曜(10月28日と29日)に3人の職員をジャマイカに派遣する」と述べたが、具体的に誰が派遣されるのかについては明らかにしなかった。

 22日の英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)は、WADAのジョン・フェイヒー(John Fahey)会長が、JADCOが監査の時期を2014年まで先延ばしにしようとしたことを「滑稽」と一蹴したという記事を掲載した。

 ジャマイカ側は、元JADCOの事務局長が同国の薬物検査プログラムは十分ではないと告発したことを受け、首相がWADAを招き入れて調査を行うと述べていたが、その後妨害工作に走った。

 フェイヒー会長はデーリー・テレグラフに対し、ジャマイカは世界ドーピング防止規程(WADA Code)を順守していないと認定される可能性があると示唆している。

 その場合、短距離のスーパースターであるウサイン・ボルト(Usain Bolt)を含めた同国の選手は、ボルトのようにドーピング検査で一度も陽性となっていない選手であっても、状況が改善されない限りは主要国際大会から締め出されることになる。(c)AFP