【10月23日 AFP】オーストラリアで最大の人口を抱えるニューサウスウェールズ(New South Wales)州では現在、多数の山火事が発生しており、シドニー(Sydney)西郊では住宅200棟以上が被害を受けている。

 以下に、同国で頻発する山火事についての主な事実を紹介する。

Q:なぜオーストラリアでは山火事が多いのか?

A:気温が高く乾燥した気候のオーストラリアでは、干ばつが頻発するため山火事が誘発されることが多い。一部地域では年間を通して山火事が発生する。出火原因の半分は落雷を主とする自然現象で、残り半分は人間(故意・過失の両方)によるものとなっている。

 同国は広大な領土を持つことから、延焼は大規模になることが多い。同国の近代史史上最悪の山火事は、2009年2月に発生したもので、南東部ビクトリア(Victoria)州の町や集落を次々と襲い、173人が犠牲となった。

Q:ここ最近の山火事の原因は?

A:季節外れの高い気温と乾燥した空気、そして非常に強い風が吹いたことで火事の発生しやすい状態となった。ニューサウスウェールズ州では先週、80か所以上で山火事が起きた。報道によると、シドニー西郊のブルーマウンテンズ(Blue Mountains)での大規模な山火事は、木々が送電線を損傷させたことが出火原因とされ、その他1~2か所での火事は何者かが放火した疑いがもたれている。

Q:なぜ今年は被害が大きいのか?

A:同国ではここ1年間、各地で最高気温の記録を更新し、先月は観測史上最も暑い9月となった。ニューサウスウェールズ州では冬季の降水量が例年より少なく、山火事が発生する条件が整っていた。

 また同州では2009~11年までの降水量が例年より多く、草木がより大きく成長した。これらの草木が枯れ、山火事の「燃料」が増えていた。

Q:山火事はどうやって鎮火する?

A:消防隊の主な任務は、火の手から「燃料」を奪うことにある。「向かい火」と呼ばれる戦略では、防火線(空き地)を作ることによって火の進む方向を制御する。この戦略は、経験ある消防隊員のみによって、より大きな戦略の一部として実施される。

 空からは火に直接水をまく空中消火が行われ、地上では焼失した土地などを山火事の進路に設けて防止線が設置される。(c)AFP