【10月23日 AFP】中国・遼寧(Liaoning)省朝陽(Chaoyang)市にある数世紀前に建立された仏教寺院の壁画が「漫画のように修復された」──22日の報道を受け、中国国内のインターネットユーザーから批判の声が上がった。

 修復作業が行われたのは、270年以上前に建立された朝陽市の雲接寺(Yunjie temple)に残されていた繊細な壁画。老朽化でその状態は良くなかったが、それでも「保存」はされていた。

 しかし、22日に報じられた写真には、修復後の大胆で単純化された壁画が捉えられていた。一部は描かれているテーマも全く異なるという。中国のマイクロブログ、微博(Weibo)では、これらを「漫画以下」だとして壁画の修復を強く非難した。

 環球時報(Global Times)が伝えたところによると、雲接寺での修復作業を担当した地元観光当局は、責任は作業を請け負った業者にあるとしているが、この問題で関係当局者2人が解任されたという。

 ここ数十年で多くの歴史的構造物が破壊されている中国では、文化遺産の保全作業も進められてはいるが、修復ではなくレプリカを設置する例などもあり、その手法をめぐっては賛否両論となっている。(c)AFP