【10月23日 AFP】欧米とアラブ諸国は22日、英ロンドン(London)でシリア反体制派の代表らと会合し、将来のシリア政府にはバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)現大統領を在任させないことで合意した。しかし、来月スイス・ジュネーブ(Geneva)で開かれる和平会議に反体制派が出席するかどうかについては、確実な返事を得られなかった。

 シリア反体制派と会談したのは、「シリアの友人たち(Friends of Syria)」と呼ばれる米、英、仏、独、伊、エジプト、ヨルダン、カタール、サウジアラビア、トルコ、アラブ首長国連盟(UAE)の11か国。シリア政権側を支援するロシアは出席しなかった。同国は過去の類似した会合にも、反体制派だけではシリアの全国民を代表しているとは言えないとして欠席している。

 反体制派は、「ジュネーブ2(Geneva 2)」と呼ばれる来月の和平会議に政権側が参加するのであれば、出席を拒否する意向を表明。また、アサド大統領の政権離脱は必須だと強調した。

 2年半にわたり続く内戦では11万5000人以上が死亡したとされるが、強気の姿勢を崩さないアサド氏は、引き続き退任の兆しすら見せず、2014年の大統領選挙で再選を目指す意向を示している。

 ウィリアム・ヘイグ(William Hague)英外相によると、各国は同日の会合で、反体制派の統一組織「シリア国民連合(Syrian National Coalition)」に対し、ジュネーブ2への「確実な参加」を促した。また、会合の各参加国は、シリアに暫定政府を樹立できるよう「一致団結して圧力」をかけていくことや、「アサド氏が将来のシリア政府に果たす役割はない」ことで合意したという。

 シリア反対派側は、ジュネーブ2に出席するかどうか最終判断を下すため、来月初めに会合を開くことを予定している。ジュネーブ2は、2012年6月に同市で開かれた和平会議に続く2回目の和平会議となる。(c)AFP/Danny KEMP