【10月22日 AFP】オーストラリアの首都キャンベラ(Canberra)がある首都特別地域(Australian Capital TerritoryACT)で22日、同性婚を認める法律が同国で初めて成立した。ケイティ・ギャラガー(Katy Gallagher)ACT首席大臣によれば、年内にも同国初の同性婚カップルが誕生する可能性がある。

 オーストラリアには6つの州と2つの特別地域(準州)があり、その大半が同性カップルに結婚に準じた権利を認める「シビルユニオン」を導入している。だが連邦政府は同性婚を認めておらず、連邦法は州法に優先することから、シビルユニオンを結んだカップルは、連邦政府からは「既婚」として認知されない。

 このたび「結婚平等法(Marriage Equality Act)」が成立したACTでは今後、同地域外に住む同性カップルであっても州政府公認の立会人の元で結婚することが可能になる。

 だが、ギャラガー首席大臣によると、ジョージ・ブランディス(George Brandis)司法長官はかねて、同性間での結婚を認めていない連邦法と矛盾が生じるとして、同性婚の法制化を進めないよう求めてきた。ブランディス長官は、結婚平等法の是非について連邦最高裁判所に提訴する意向を明言しており、裁判の結果は同法の下で結婚した同性カップルに適用される可能性がある。

 この点についてギャラガー首席大臣は、「先行きがある程度不透明なことは承知している」と述べたうえで、「それでも同性婚の妨げにはならないし、われわれが動じて進む道を変えることは今後もない」と言明した。(c)AFP