【10月21日 AFP】男子テニスのロジャー・フェデラー(Rodger Federer、スイス)は20日、参戦スケジュールの組み立てに際して深刻な過ちを犯したことが2013年シーズンの低迷の一因にあると認めたものの、引退は視野に入れていないと語った。

 通算17度の四大大会(グランドスラム)制覇を誇るフェデラーは、現在世界ランク7位にまで沈み、シーズン最終戦、ATPワールドツアー・ファイナル(ATP World Tour Finals 2013)の出場ランキングでは8位につけている。また今季のメジャー大会では一度も決勝まで勝ち進むことなく敗退しており、こうした状況を受けて、テニス界では32歳のフェデラーのキャリアが終わりに近づいていると見る向きが強まっている。

 12日には3年以上にわたって師弟関係を続けてきたコーチのポール・アナコーン(Paul Annacone)氏とのコンビ解消を発表しており、もっと別のやり方があったとフェデラーは今季を振り返った。

 20日に開幕するスイス・インドア(Swiss Indoors Basel 2013)への参戦を控えたフェデラーは、「絶対に出るべきではなかった大会に出場してしまった」と本音を語っている。

「(3月に開催され、腰痛を発症していた)インディアン・ウェルズ(Indian Wells)では(ラファエル・ナダル(Rafael Nadal)との)準々決勝の前に棄権するべきだった。夏もハンブルク(Hamburg)とグシュタード(Gstaad)のクレー大会に出場するべきではなかった」

「後になってからの方が物事はちゃんと見えてくる。インディアン・ウェルズを終えて離脱していた7週間も思うような練習ができず、負のスパイラルにはまってしまった」

 ライバルのナダル、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic)、アンディ・マレー(Andy Murray)が次々とメジャー大会で頂点に君臨するのを目の当たりしながら惨めなシーズンを過ごしてきたフェデラーだが、今後も現役を続行することを明言した。

「身体的、精神的に遠征に耐えうる限り、自分が今やっていることを続けていきたいし、私は成功を収めている。まだしばらく現役でいるよ。苦しい半年間を過ごしたとしてもこの意思に変わりはない」

「(2016年の)リオデジャネイロ五輪に出場することを目標にしている。そこで引退するという意味ではなく、その前後に辞めるつもりもない。ただ、そういう気持ちがあるということだ」

 また、かつてピート・サンプラス(Pete Sampras)氏を名選手に育てた経歴を持つアナコーン氏のとの決別については、円満なものであったとフェデラーは明かしている。

「私たちは最高の仕事仲間であり、友人同士でもあった。この関係は今後も続いていく。今でもほぼ1日おきに連絡を取り合っているよ」

「私たちはたくさん会話をした。お互いの感情を伝えることはすごく重要なことだったし、ドバイ(Dubai)でのトレーニングの後はいつもそうやって語り合った」

「良好な関係ではあったが、私は現状について話し合うことが最善だと思ったし、彼も変化をもたらすためにこの関係を終わらせるのがいいという考えだった。本当に素晴らしい3年半だったし、彼の働きには感謝することしかできない。お互いの良い面を引き出すことができて、理想的な関係だった」

(c)AFP