【10月20日 AFP】大規模な山火事が起きている豪ニューサウスウェールズ(New South Wales)州の消防当局は20日、高温と乾燥、強風に見舞われた州内の一部地域は過去40年余りで最も危険な状況になっているとして、「前例のない危険」に警戒するよう呼び掛けた。

 同州は先週、極めて強い風が吹き、各地で季節外れの暑さを記録。山火事でこれまでに200棟以上の住宅が焼失したほか、約120棟が被害を受けた。

 最も大きな被害を受けたのはシドニー(Sydney)の西にあるブルーマウンテンズ(Blue Mountains)だが、先週は山火事の煙と灰でシドニーも昼間から薄暗くなった。今回の山火事ではこれまでに、自宅を火災から守ろうとした男性1人が死亡している。

 18、19の両日は気象条件がやや改善して消防士らは一息つく形になったが、気温の上昇と30メートル弱の強風が予想されたため、20日は消火活動や住宅などの保全活動が再び強化された。

 同州のシェーン・フィッツシモンズ(Shane Fitzsimmons)地方消防本部長は、これから数日間の消火活動は困難を極める可能性があると指摘した。

 ブルーマウンテンズのベル(Bell)地区には20日朝、住民らに避難勧告が出され、可能であればすぐに避難し、それができなければ火の手が迫ってきた場合には強固な建造物に逃れるよう呼び掛けられている。

 オーストラリアでは、12月から2月の夏季に山火事が起きるのは珍しくないが、例年になく乾燥した暖冬だったことや、春に入って記録的な高温が続いたことから、今年は山火事の季節が早く始まった。(c)AFP/Amy COOPES