【10月18日 AFP】人間のあくびがチンパンジーにもうつるとする調査結果をスウェーデン・ルンド大学(Lund University)の研究者らが17日、発表した。ただ人間の場合と同様、幼年個体ではこの「もらいあくび」の現象はみられなかったという。

 調査は、アフリカ・シエラレオネにあるチンパンジーの保護施設、「タクガマ・チンパンジー・サンクチュアリ(Tacugama Chimpanzee Sanctuary)」で保護されている、生後13か月~8歳の孤児のチンパンジー33匹を対象に行われた。

 調査では、対象となったチンパンジーのうち、5~8歳の個体に調査員につられてあくびをする様子がみられた。ただ幼年期の個体では、同様の現象は確認できなかった。

 人間の場合でも「もらいあくび」がみられるのは幼年期後の4歳前後からで、これは「共感する能力」を示唆する行動が始まるのとほぼ同じ時期だという。

 また「もらいあくび」は、友人や親族といった近い関係でより多くみられ、知らない人同士ではあまり起こらない現象とされる。これまでの研究によると、同様の現象はペット犬とその飼い主の間でも起こるとされ、やはり飼い主以外の他人からだとあくびはうつりにくいとしていた。

 しかし今回の研究によると、チンパンジーのケースはこれとは若干違うようだ。

 調査に携わった研究者の一人は「若い個体は全員に共感しているが、成長すると共に対象が限定されている可能性がある」と述べた。(c)AFP