【10月15日 AFP】イスラム教の大巡礼「ハッジ(Hajj)」が最高潮を迎えた15日、大勢のイスラム教徒がサウジアラビアのミナ(Mina)渓谷を訪れ、悪魔を表す石柱に向かって小石を投げる投石の儀式を行った。

 世界中のイスラム教徒にとっては犠牲祭「イード・アル・アドハ(Eid al-Adha)」の初日にあたる15日、巡礼者たちは、縫い目のない2枚の白い布からなる巡礼用の衣服「イフラム」を着用して、悪魔を象徴するコンクリートの柱に投石した。

 巡礼者の数は昨年から減ったものの、世界中から約150万人が集まった。聖地メッカ(Mecca)に近いミナ渓谷には多くの巡礼者が現れ、渓谷をテントの海に変えた。

 早朝から始まった儀式の参加者は日が昇るに連れ、急速にふくれあがった。投石の儀式は18日まで続くが、急ぎの巡礼者は前日に儀式を終わらせることもできる。

 14日にアラファト山(Mount Arafat)に登り、祈りと思索を行った巡礼者たちは、近くのムズダリファ(Muzdalifa)に移動し、そこで石を集め、夜を過ごした。15日未明、巡礼者たちは集団になり、代表者が国旗を掲げ、ミナに向かった。

 サウジアラビア当局は過去に将棋倒しで死者が出たりテントで火災が発生したりする事故があったことから、悪魔への投石をハッジで最も危険な局面として警戒していた。だが近年はキャンプの防災化が進み、投石場所の敷地拡大で混雑も緩和された。(c)AFP