WADA、ジャマイカの反ドーピング対策に苦言
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【10月15日 AFP】世界反ドーピング機関(World Anti-Doping Agency、WADA)は14日、ジャマイカの陸上選手5人から薬物使用の陽性反応が出たにもかかわらず、同国の対応が遅れていることについて苦言を呈した。
WADAは8月、男子100メートルの元世界記録保持者であるジャマイカのアサファ・パウエル(Asafa Powell)による禁止薬物の使用が明らかになったことを受けて、ジャマイカ反ドーピング連盟(Jamaica Anti-Doping Commission、JADCO)の手助けをする意向を示していた。
さらにJADCOの元幹部が、同国のドーピング検査に不備があると指摘したことから、WADAは緊急に対応するよう同国に呼びかけていた。
WADAはジャマイカの首相から招待を受け、JADCOを視察することになったというが、この訪問は来年まで持ち越しとなったという。
「2014年まで視察は不可能だという知らせを受け、不満を感じている」とWADAは述べている。
WADAは8月、ジャマイカがドーピング制度を改善するための措置を講じなければ世界反ドーピング規程を順守していないと見なし、理事会に報告すると同国に釘を刺していた。
もし報告が行われた場合、ジャマイカのスター選手、ウサイン・ボルト(Usain Bolt)の五輪出場が危うくなる可能性がある。
JADCOは、8月の第14回世界陸上モスクワ大会(14th IAAF World Championships in Athletics Moscow)前に5人のドーピング違反者を摘発したのは元々ジャマイカだったと主張し、対応の遅れについて自己弁護している。(c)AFP