【10月15日 AFP】スイス・ジュネーブ(Geneva)の国連(UN)欧州本部で14日、裸体男性の浮き彫り彫刻が白い幕で覆い隠された。欧米など6か国との核問題協議のために翌日同本部を訪れるイラン代表団に配慮したものとみられる。

 裸体彫刻は伊ルネサンス期の巨匠ミケランジェロ(Michelangelo)のフレスコ画「アダムの創造(Creation of Adam)」に着想を得たもので、6か国協議が行われる会議場の入り口に飾られている。

 国連関係者は彫刻を覆った理由を明らかにしようとしないが、スイス紙トリビューン・ド・ジュネーブ(Tribune de Geneve)は、15日から2日間の日程で開かれる核問題協議でイラン代表団の気分を害する事態は避けたいとの狙いがあると報じた。

 スイス側はトリビューン・ド・ジュネーブ紙の報道にはコメントせず、会議場の入り口に際だった特徴の無い背景幕を設置する目的があるとのみAFPに説明している。

 イランの男性は、公共の場では手脚を覆うことが求められる。さらに女性の場合は髪も覆い、緩い衣服を着用せねばならない。この規則は、イランで強い影響力を持つイスラム教指導者らがとる強硬な教義解釈に沿ったものだ。(c)AFP