【10月14日 AFP】米国家安全保障局(National Security AgencyNSA)による個人情報収集活動を暴露して訴追されロシアに一時亡命した米中央情報局(CIA)元職員、エドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者(30)の姿を捉えた映像が、8月に亡命が認められて以降初めて公開された。

 内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」が11日にウェブサイトで公開した映像の中で、スノーデン容疑者は「政府の政策や計画をわれわれ国民が知ることができないのであれば、われわれには政府の規制を承認することもできない」などと述べ、民主主義は危機にあると訴えている。

 ウィキリークスによるとこの映像は9日に、専門職における倫理の促進を目指している元米情報当局者4人や人権活動家とスノーデン容疑者が会合した際のものという。

 撮影場所は不明だが、映像には豪華な室内でスノーデン容疑者が元米当局者4人らと夕食を共にしながら談笑する様子や、元CIAアナリストのレイ・マクガバン(Ray McGovern)氏から職業における誠実さを称える賞と燭台を贈られる様子などが映っている。

 同席した元米司法省倫理顧問のジェスリン・ラダック(Jesselyn Radack)氏はテレビ局の取材に、スノーデン容疑者は「とても健康そうに見えた」「愛想の良い、楽しい人物だった。何も恐れてはいないようで、やつれた様子もなく顔色も良かった」と証言。「彼は、米国と世界に素晴らしい影響をもたらしたと思う。勇気は伝染するものだ」と述べて、スノーデン容疑者のように機密を暴露する人が今後増えるのではないかとの見方を示した。(c)AFP