【10月14日 AFP】エジプト北部スエズ運河(Suez Canal)沿いの都市イスマイリア(Ismailiya)にある警察署の留置場で13日、勾留されていた米国人男性が首をつって死亡しているのが見つかった。米国務省筋は、死亡したのはジェームズ・ラン(James Lunn)氏だと確認した。

 エジプト治安当局は、男性の身元をジェームズ・ヘンリー(James Henry)氏(55)だとしたうえで、イスマイリア・アワル(Ismailiya Awal)警察署内で13日正午ごろ、遺体で発見されたと発表した。同国内務省の声明によると、検察当局は前日12日にこの男性の30日間の勾留延長を決定したばかりだった。

 外務省経由で報道陣に伝えられた検察当局からの情報によると、ラン氏は靴ひもとベルトで首をつって自殺したという。

 内務省によれば、ラン氏はシナイ半島北部の町で起きた警察署を狙った自動車爆弾事件の捜査の中、8月27日にシェイフ・ズワイド(Sheikh Zuwayid)で逮捕された。逮捕容疑は夜間外出禁止令違反で、シナイ半島北部の路上で検問に制止された際にパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)へ向かう途中だと話していたという。ラン氏は「コンピューター1台と複数の重要施設の地図」を持っていたことも分かった。

 米国務省はラン氏逮捕の翌日から電話で同氏と定期的に連絡を取っていたとしている。10月8日には米領事館員1人がラン氏を訪問したが、同氏は警察当局の扱いに問題があるとは言っていなかったという。

 エジプトの留置施設で外国人が死亡したのは、7月に軍がムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)前大統領を解任して実権を握ってから分かっているだけで2人目。9月にはカイロ(Cairo)の留置施設で、検問所で身柄を拘束されたとみられるフランス人が同房者から殴られて死亡している。(c)AFP