【10月11日 AFP】遠く離れた宇宙で粉々になった惑星の残骸を観測した結果、水と岩石の地表が共に存在していた痕跡を、太陽系外で初めて発見したと、英天文学者らが11日、米科学誌サイエンス(Science)で発表した。

 この惑星の残骸が見つかったのは、地球からおよそ150光年離れた惑星系。ここには、かつて生命に適した環境が存在していたとみられる他、複数の地球型惑星が恒星「GD 61」の周囲を公転していた可能性があるという。

 GD 61は約2億年前にエネルギーを失い、その強大な重力によって近くの惑星を吸い寄せて粉々にした。GD 61は現在、惑星の残骸が周囲に漂う「白色矮星」となっている。

 恒星との距離が近すぎず遠すぎない生命居住可能領域「ハビタブルゾーン」内にある惑星はこれまでにも見つかっているが、木星のようにガスを主成分としているのか、それとも地球のように岩石でできているのかなど、惑星の組成については、星の表面を調べるには距離があまりにも離れすぎていたため、謎とされていた。

 しかし、粉々になった惑星では、そのかけらを調査することにより、星の主成分を知ることができる。これまでに白色矮星を公転する太陽系外惑星12個の残骸について調査が行われていたが、水の痕跡が発見されたのは今回が初めて。

 調査では、紫外分光法によるデータを参照し、粉々になった惑星のかけらの成分を調べた。その結果、このかけらには地球よりもはるかに多い割合の水が含まれていたことが分かった。白色矮星を取り巻く大気からは、岩石の主成分であるマグネシウム、ケイ素、鉄、酸素が検出されたという。(c)AFP