【10月10日 AFP】9日に投票が行われたアゼルバイジャン大統領選挙で、現職のイルハム・アリエフ(Ilham Aliyev)大統領(51)が圧倒的得票で3期目の大統領職を確保し、アリエフ一族による政権支配をさらに延長させた。一方、惨敗した対立候補からは、不正選挙との非難が上がっている。

 開票率75%の時点で、アリエフ大統領は84.7%の票を得て、有力野党候補ジャミル・ハサンリ(Jamil Hasanli)氏(5.2%)を大幅に引き離し、広く予想されていた地滑り的大勝を果たした。

 アリエフ大統領の与党「新アゼルバイジャン(New Azerbaijan)」は勝利宣言を出したが、ハサンリ氏の陣営は、各地で選挙管理上の不正行為があったとして、選挙結果を受け入れない構えだ。

 アリエフ氏は、父親のヘイダル・アリエフ(Heydar Aliyev)元大統領の死後、2003年の大統領選で当選を果たした。旧ソ連時代には国家保安委員会(KGB)の高官を務めたヘイダル氏は、ソ連崩壊後のアゼルバイジャンを10年にわたって率いた共産主義時代の権力者だった。

 アリエフ氏は2008年の選挙でも89%の得票で再選されたが、西側観測筋はこの選挙が自由・公正を欠いていたとみている。2009年には国民投票を行い、それまで最長2期10年と定められていた大統領の3期出馬を可能にした。(c)AFP